第一回ガネット講座報告
【2003年6月14日(土)3:00~5:00pm】

「学校5日制~地域の絵画教室に求められるもの」
   花篤實氏の講演から


「大阪教育大の大学院の美術科」「美術科教育学会」「アメリカのDBAE美術教育」「幼児造形研究会」「造形あそび」戦後の重要な美術教育の創設に立ち会い、実践家として活動して来られた花篤先生の貴重なお話を聞く事ができました。時代に応じて教育は変化していき、その流れの必然を現場の目を通して話された密度の高い1時間の講演でした。平成14年度から学校5日制になり学校(生活)自体も汲々とした状態にあります。子ども達の社会的な環境も必ずしも改善されているとはいえないでしょう。「塾は従来、学校の補足的存在でありました。しかしこれからの塾=画塾は、もうひとつ別な教育の場、オルタナティブ・スクールとして、学校がしていない抜けている教育を独自に打ち立て、発展していく可能性がある。私はこれからの美術教育は画塾の時代や、と思っていますのでおおいに期待しています。」花篤先生の力強いエールと課題を与えられたようでした。

第二回ガネット講座報告
【2003年7月12日(土)1:00~4:00pm】

「子どもの視点にたった絵画造形教室をつくるために

~様々な工夫や活動紹介」

提案/赤座雅子


 赤座が運営し、関わっている教室について具体的例で進行してみました。貸しホールや公民館・幼稚園の課外教室、企業の造形教室、園内の絵画指導等。ひと りの講師の教室の在り方を通して、アンケートで集めた結果をとり入れ、会場からの意見も頂きたいと立案してみました。色々欲張り過ぎ時間足らずでした。作 品展の紹介や、もっとお見せする資料もあったのですが。ひとつテーマを絞り、例えば「異年齢のカリキュラム」で時間をかけて討議する、という形が今後は望 ましいかもしれないと反省会で出されました。励ましや叱咤の御意見ありがとうございました。今後の参考にさせて頂きます。

第三回ガネット講座報告
【2003年8月9日(土)1:00~4:00pm】

「多様な子ども達に現場は戸惑っていませんか?」
講師/高橋 登 氏


8月9日、大阪教育大学助教授、発達心理学者の高橋登先生をお迎えし、会員に事前に配られたアンケート・質問に先生が総合的にお応えする形を設定しまし た。医師や専門の機関から病名・症状をはっきりと告げられている、そういった生徒が教室に在籍している会員はごく少数でした。「自閉症の傾向がある」 「LD(学習障害)かも知れない」グレイゾーンを感じる子の受け入れに絵画教室の先生たちが困惑し、対応に苦慮している姿がアンケートの紙面からにじみで ていました。ピアノや習字、英語など他のお稽古にはついていけないけれど、お絵描きや造形なら好きだし出来るかも、という保護者の期待感あっての選択肢と も思われ、造形教室では年々増える傾向にあるように見受けます。 
 高橋先生は講座の前半で御自身の研究、どうしたら子ども達は幸せに育つのか、障害のある子に読み書きなどの自立する支援について語られ、後半はダウン 症、(高機能)自閉症、ADHD(多動)そしてLDについて具体的かつ明確に説明されました。会員から、障害を見分ける方法や障害に添ったカリキュラムを 教えて欲しい、という質問が少なからず寄せられたことに対して、「障害といってもひとくくりではなく、その子によって程度は異なる。子どもの年齢が低い程 グレイゾーンも大きいので、障害があるのでは、という偏見からその子を捉えず、教室の中での居場所・好きな教材・他の子どもとの関わりをまず考えてあげて 欲しい。そして先生(指導者)がその子とどういった関わりをしていきたいのか、それを念頭に置きながら活動を進めていければ望ましいのでは」と提言されま した。
 この件に関しては、やる気のない子・キレやすい子の対処と通じるものがあると思われます。学校生活する事が大人が想像する以上に困難な状況にある子が、 学校と家庭の中間地点にある絵画教室でそのままの子どもの姿、甘え→わがまま→やる気のあるなしが正直に現れているのではないか。やる気がないと言いつつ も通って来るにはその教室・先生に対して子どもが何かを求めているのではないか。「最近の子は素直さがない、などといわれるが、子どものあり様は昔からさ 程の変化はしていない。」と高橋先生。
 他にも絵具をグチャグチャに混ぜるだけで絵を描こうとしない子についての質問が何件かありました。絵具あそびをやりきれていない子は気が済むまで行為を 繰返します。中学生でも通過していない子は絵具のぐちゃ混ぜをしたがります。美しい、きれいな色を認識するのは、この後になります。家庭や園、学校でもな かなか機会がないとできない絵具あそび。
「子どもの発達には必要な活動を、教室の状況に応じてさせてあげて欲しい」
高橋先生はおっしゃっていました。
学校生活に収まりきれない多様な子は、現在の社会の状況から推測しても減る事は考えられません。絵画・造形教室だからこそ、こうした受け入れをしてくれる のでは、という期待感も社会的に膨らんでいくように予感します。他の子とのバランス、運営面で理想ばかりは追えませんが、学校や他のお稽古ごとにはない独 自性や支援を絵画教室にはある事を高橋先生に提言されたと思います。

第四回ガネット講座報告
【2003年9月13日(日)1:00~4:00pm】

「子どもの絵の読みとり」
講師/舟井 加世子 氏


  大阪信愛女子短大で講師をされ、近畿各地の保育所で0才児からの絵画造形活動を指導、と同時に梅田のサクラ・アートサロンで幼稚園・小学生の絵画教室の講 師としても幅広く活躍されている舟井先生です。清教学園幼稚園時代での絵画指導の実践から、子どもの絵の表現、そして子どもが持っている力について、0~ 4才児を中心に実際の作品を提示しながらお話頂きました。終了時間が近付くと、会員から質問が押し寄せ、時間延長の要望が出る程、温度の高い講座になりま した。

講座の主な内容

子どもの絵の表現には?環境?生活経験?発達段階 この3つがもとになっており、指導者がひとり一人の子どもを把握していくことが大切である。
0~2才の例から
/色の発達   赤ちゃん、と大人は思っていても生活環境による色の認識、好みが既にしっかりある事例を紹介。16色のクレパスを与えると、その子の身の 回りの色が現われる。黄土色を何故か好む子をよくよく観察してみたら、通園の手提げ袋の色であったり、絵を描くと最後に必ず青い線で囲む子の家を訪問した ら居間と子供部屋のカーペットが同じ青色だった、などびっくりするような、あなどれない(!)色の認識と発達のお話でした。
/「空間」を捉える~なぐり描きから  絵を描くのに四角い画用紙ばかりにこだわらず、様々な形の紙での描画の試みから。長方形、丸、星、雲などの形に 切った紙に描かせてみると、その紙の形に合わせた線が現われる。穴をあけたり、シールを貼った紙でも同様で、その部分を囲ったり、塗りつぶしたり、意識し た描画活動が現われる。その他、3つ子の兄弟の例で、同じ環境で育っている筈なのに個性や発達が異なり、消極的な長男に友達ができたことにより、なぐり描 きの線や色が変化していった描画の記録を順を追って見せて頂き、心の動きがもたらす表現の違いを知らされました。
舟 井先生御自身、幼稚園時代の経験から、4才の男の子の、ある一枚の絵に出会い、それまで型通りに子どもの絵の読みとりをしていた自分に反省し、それと同時 に子どもの絵に現われる想い、子どもの持っている力に深く心を打たれた、という話しを冒頭にされました。通常、私たちの運営する絵画教室では0~2才児の の入会は余りなく、接する機会もない指導者が殆どかも知れませんが、「小さいからまだ出来ない。」と思い込んでいる月齢の子ども達に対して心象を新たにさ れた方もいらしたようです。もう1点は、月謝を貰っているからといって発達にそぐわない、無理な題材を子どもに描かせる必要はない、という事です。未就学 の子は絵を描いて、その背景に色を塗ろうとしないのが普通であり、コンクール等に出品する為、どうしても、という場合には、予め色画用紙に描く事をアドバ イスされました。この際も例えば、赤が中心の題材になるなら、色画用紙は赤を含んだ色、紫、エンジ等を使用すれば画面が落ち着く、という具体的な助言があ りました。この辺りは個人の美意識にも依ると思われます。「舟井カラー」と呼ばれた独特の色の組み合わせがあるでしょう。加えて、先生が子どもと絵を介し ての細やかなコミュニケーションに関しても、問いつめて聞き出すものではなく、先生の導入、子どもとの信頼関係、話術、何より人間性をもって為せる技と いっていいでしょう。作品に対して無理な問いただしは逆に子どもの心を閉ざしてしまう危険性を含んでいます。子どもの表現力、作品に対する興味や探究心と 敬意、それらを合わせ持った内容であったので、会場のみなさんと共感できる講座になったように感じます。講座終了後、早くも舟井先生の再登場をリクエスト されました。来年度のスケジュール調整をいたします。(報告:赤座)

第五回ガネット講座報告
【2003年10月11日(土)1:00~4:00pm】

「こどもの絵とコンクールの取り組み

~審査員から見たこどもの絵の捉え方」

講演/指導:花篤實(けいとくみのる)氏
大阪芸術大学・大阪教育大学名誉教授

 第5回講座は、様々な絵画コンクールで審査員としてご活躍されておられる花篤實先生に来ていただき、実際に子どもの絵画作品を見ながらコンクールについての考え方や制作指導の観点などをお話していただきました。当日は皆様から、コンクールに向けて制作した子どもの作品や出品作品を持ってきていただき、花篤 實先生に具体的にアドバイスをもらいながら指導法等を研究していくかたちで進めました。

第六回ガネット講座報告
【2003年12月13日(土)1:00~4:00pm】

実技講習ワークショップ
「キラキラ絵の具を作ろう」講師:山井久子(アートハウス)
「ローラーを使って」講師:西本正義氏
「木の実のカレンダー」講師:栗山誠(帝塚山キッズアート)

第七回ガネット講座報告
【2004年2月7日(土)1:00~4:00pm】

「図画工作科が求めるものと実際」
講師/西尾 正寛 氏
大阪教育大付属平野小学校教諭図工科担当

小学校の図工科は、今どんな授業を行っているのか。絵画造形教室に通う子ども達からの情報は多少あるものの実際の時間数、カリキュラムを知りたいという会員の要望から今回の講座を持って頂く運びになりました。
  冒頭で文科省における学習指導要領の図工科が目指すところを解説されました。子どもの発達や感性を育てる上で重要さが認められつつも、指導や評価の面で様 々な困難さを抱え持つ造形あそびについて平野小での実際の授業の映像を交えてお話されました。他の教科には成し得ない、図工科独自の追求が今こそ必要であ ろう、というある意味危機感をもった提唱がありました。導入での言葉掛け、カリキュラムの絞り方等は、絵画教室の実践で参考になる具体例でした。
 それは何より「画塾であれ公教育であれ、美術を通して子どもを育てようという想いは同じ。」という西尾先生のスタンスがあるからこそ、と思われます。講座終了後も、会員から「大変参考になり、刺激になった」という意見が出されました。

来年度、ganetは一年間の活動の反省を踏まえ、再構成する動きにあります。
様々な会員の意見や要望がありつつも、子どもの発達、教育現場の認識は必要であると改めて感じさせる重要な一石であったと思われます。(報告 赤座)

第八回ガネット講座報告
【2004年3月13日(土)1:00~4:00pm】

絵画教室ネットワークGanetのこれからについて(自由参加形式)

第一回ガネット講座報告
【2004年4月25日(日)1:00~4:00pm】

◆テーマ1:文化芸術振興基本法について
講師:廣 靖彦 氏

 平成13年、日本では文化芸術を促進させるための新たな法律ができました。
この法律は私たちの仕事にどう有効に活用できるのでしょうか。講師に廣靖彦先生をお招きしました。

◆ テーマ2:(造形)塾総合保険について

 造形絵画教室にとって,予期しないトラブルは付きもの。保険について、専門の方を招いてお聞きしました。

◆Ganet「夏の子ども造形まつり」計画

 7月29日(木)に子ども対象に「ガネット造形まつり」(仮称)を開催することになりました。
絵画教室の先生たちが共同でつくる一日造形体験教室です。 これに向けての話合いです。

第二回ガネット講座報告
【2004年6月6日(日)1:00~4:00pm】

「パスを使った題材と子どもの絵の理解」
講師:丹田 千恵子 氏(藤井寺市立道明寺東小学校)

今回は、パスを使った実技研修と子どもの絵のお話です。小学校教師の経験から、子どもたちが喜んで取りかかれる教材や、その指導法など、日常のやり取りや エピソードなどを交えて、お話してくださいました。

第三回ガネット講座報告
【2004年7月29日(木)】

「ガネット夏の造形まつり」(こども参加型)
  (会場:アピオ大阪/大阪市立労働会館)

第四回ガネット講座報告
【2004年10月3日(日)1:00~4:00pm】

「こどもの絵の読み取り方」
講師:中尾 美千子 氏

(Ganet会員からの感想)1

 今回、中尾美千子先生の講座をお聞きして感じた事は、先生が幼稚園教諭を経て大学の講師をされていながら、現在絵画教室の指導をされているので失礼なが らも私達の立場に近いところで子どもたちと接している方だと感じ講座を楽しむ事が出来ました。後半での、グループになり先生方とのディスカッションでは、 生徒募集を皆さんがどの様にされているのか、子ども達の作品展をどの様に行っているのか、年々、落ちつかない子どもが増えているが絵画教室内で出来る事と は等など、普段なかなかお話する機会のない方々と具体的に教室が抱える問題などのお話を伺う事ができ、大変良い機会だったと思いました。

(Ganet会員からの感想)2 

 子どもの生活を大事にされた視点で、子どもの造形に関わっておられる先生のお立場がよくわかりました。もっと子どもの絵のお話が聞きたかったですが、後 半のグループ討論も大変有意義な時間が過ごせました。みんな,抱えている問題は,同じだと思いました。ここで出されたことは今後,私たちが話し合い,いい 方向で解決していきたいと思います。
☆ガネット研修会では、会員の持ち寄りで実技研究を進めている。今回は、島田時子氏(あすなろ子ども絵画教室)が、パスのスクラッチを使った日頃の取り組みと作品を紹介し、皆で実践し、この教材に対する発展の仕方や感想などが出された。

第五回ガネット講座報告
【2004年12月5日(日)1:00~4:00pm】

実技研修「新しい教材・材料研究」

電池式、卓上ランプシェードをみんなで作っている様子クリスマス ランプシェード、カラー風船スライム、ふわふわ粘土、ラミネート工作、その他がネットまつりの報告を実技形式で参加者とともに体験しました。

◆参加者からの感想

1.昨日は、ガネット講座に行かせてもらいました。クリスマスのランプシェードは子どもも楽しみながら作れる工夫があり、とてもよかったです。作業の終わりに、 部屋の電気を消してみんなのランプをつけた瞬間、とてもきれいで感動しました。ちょっとしたアイディアで、難しそうなことも簡単に作れるのだなあと感心し ました。他にも、ラミネート工作も、教室でも挑戦しようかなと思いました。また、ガネットまつりの報告から、みんな先生方が、子どもたちのために一生懸 命、いろいろ企画していたということがよくわかり、先生方のエネルギーをもらった感じです。また、楽しい企画があれば、できるだけ参加したいと思います。 (Wさん)

2.ガネットでおしえていただいたランプシェードを参考にして、「100均のタッチライト」と「ラミネーター」で作ってみました。材料費は一人200円弱。小さな子でも簡単にできて大好評でした。(Kさん)

第六回ガネット講座報告
【2005年2月6日(日)1:00~4:00pm】

1.提案シンポ:造形絵画教室としてできること
2.実技研究:コンテパステルを使った絵画教材

*提案シンポジウムで話されたことは下記のとおりです。
 ☆ガネットに興味を持って集まる参加者は、子どもの創作活動の意味、重要性をよく知っており、講座では、それを皆で分かち合い、さらに何が今後、造形画 塾の指導者としてできるのか、具体的に考えていく機会としたい。そこで、今後の講座で参加者が持ち寄りで実技研究をして、それを生かして将来的に、ガネッ トとしての本を出版する等の目標をもったらどうか、という案が出された。
☆大阪府立現代美術センタースタッフの南さんから、ガネットの活動と美術センターの活動を共にする企画ができないか、などの提案が出された。
☆2005年度のガネットまつりの開催地の候補が出され、今後、具体的に動くことに決まった。
*実技研究…
☆今後、ガネット研修会では、会員の持ち寄りで実技研究をすることになった。その第一弾として今回は、栗山誠氏が、コンテパステルを使った日頃の取り組みと作品を紹介し、皆で実践し、この教材に対する発展の仕方や感想などが出された。

第一回ガネット講座報告
【2005年4月26日(日)1:00~4:00pm】

1.実技研究:

  • a.コンテを使った絵画(2月研究会実施)の実践報告
  • b.子どもが楽しむ絵画技法

2.夏のガネット造形まつりについて

1実技研究…a

☆2月研究会で栗山氏(帝塚山キッズアート)が提案した、コンテを使った絵画
技法を、各教室で実践し、その報告が出された。様々な発展例や新たな視点で
楽しめることを皆で共有した。発表して下さった方(教室)は下記の通り。
・宇津木七実さん(アトリエあいあい)
・星野 和子(子ども絵画教室ポテトクラブ)
・宮本みのり(絵画教室プチクレヨン)
・北田絵里子(絵画造形教室らぴす)
・佐藤恵子(アトリエラズベリー)
・尾崎ひとみ(アトリエbravo!)

1実技研究…b
テーマ:「スクラッチ・ヴァージョン 木版画調」
インストラクター:島田 時子

☆ガネット研修会では、会員の持ち寄りで実技研究を進めている。今回は、島田時子氏(あすなろ子ども絵画教室)が、パスのスクラッチを使った日頃の取り組みと作品を紹介し、皆で実践し、この教材に対する発展の仕方や感想などが出された。

第二回ガネット講座報告
【2005年5月29日(日)1:00~4:00pm】

1.実技研究

a.スクラッチを使った絵画(4月研究会実施)の実践報告

b.子どもが楽しむ絵画技法

テーマ「墨を使った様々な技法」
インストラクター:佃美智子(アトリエFiaFia)

2.夏のガネット造形まつりについて

第三回ガネット講座報告
【2005年6月19日(日)1:00~4:00pm】

1.研究発表:描く遊びを楽しむ子どもたち
2.実技研究:墨を使った技法の報告
3.ガネット造形まつりについて

第四回ガネット講座報告
【2005年7月23日(日)1:00~4:00pm】

ガネット造形まつりについて(内容研究)

第五回ガネット講座報告
【2005年8月9日(火)10:00~14:30】

Ga-net造形まつり(子ど も参加型)
「子どもも大人も楽しもう!」
場所:梅田東学習ルーム

第一回ガネット講座報告
【2006年4月17日(日)1:00~4:00pm】

1. 楽しい教材アイディア
実技インストラクター 川原 由香里チャイルドルームまめっこ)

Ganetの会員のほとんどは絵画造形教室の指導者であるが、川原氏は幼稚園教諭の経験を持ちチャイルドルーム(幼児教室)を運営し、教室の内外で地域の子育て支援活動をおこなっている。
2歳児から参加する活動を想定し、「万華鏡」と洗濯バサミで車輪を使った「はしる車」を実技講習した。参加者30名のキットをひと組づつパッケージたものを準備。
会終了後に参加者全員が記入した振り返りシートには、準備の手間に感心した、子育て支援活動の話を聴くことができて参考になった、などの感想があった。

夏の造形まつりに向けて

保護者向けワークショップについて説明する角地圭子先生以前より、キッズ・ゲルニカをまつりの中で、どのように取り組むかを討議してきた。「平和」をテーマをにしていることや、数時間で終える行程ではないなど、いくつかの課題があることから来年もしくはさ来年の実現を目標に、有志が「キッズゲルニカ・プロジェクト」を発足することとなった。本年のまつりの形態は昨年を踏襲し、カリキュラムの見直しをはかり、5月から各班のリーダーを中心に始動する運びになった。今年は新たに親対象のブースを設けようという提案があり、アート社かくち 角地佳子氏よりビーズやスパンコールなどを素材としたアクセサリー製作の具体的な説明がされた。

*内容検討事項
  キッズゲルニカについて(栗山)
  子育て支援ワークショップについて(赤座)
  親(保護者)むけワークショップ(角地)
  宿題工作など従来のブースについて
  まつり準備室 準備委員会の立ち上げ

第二回ガネット講座報告
【2006年6月11日(日)1:00~4:00pm】

特別講演:「学校教育における図画工作科の今後の展開」

講師:宇田秀士氏(奈良教育大学助教授)

第三回ガネット講座報告
【2006年9月10日(日)1:00~4:00pm】

シンポジウム:テーマ「地域教育と美術」
~地域の造形絵画教室の役目とは何か?~
コメン テーター:阿部寿文氏( 大阪女子短期大学)
         鈴木典明氏( 安曇川中学校)

第四回ガネット講座報告
【2006年11月12日(日)1:00~4:00pm】

1.「クリスマス工作実技」
2.「それぞれの絵画教室の経緯と運営について」 
講師:幸前節子(プチアート)
   山井久子(アートハウス)
   角地佳子(アート社角地)

第五回ガネット講座報告
【2007年2月25日(日)1:00~4:00pm】

美術教育の中のセラピー的な部分/事例研究
講師:島田時子(あすなろ絵画教室)

第一回ガネット講座報告
【2007年4月22日(日)1:00~4:00pm】

1.講演:テーマ「ピースなスタイルって?」

講師:イダ ヒロユキ 氏(立命館大学)

2.研究:キッズゲルニカについて

第二回ガネット講座報告
【2007年5月13日(日)1:00~4:00pm】

1.『世界のキッズ・ゲルニカの実践報告』
講演:阿部 寿文 氏(大阪女子短期大学)

キッズゲルニカ発案者の阿部寿文先生(大阪女子短期大学)の講演会を3月に引き続きおこなった。
阿部先生は本年5月の連休中にギリシャのキオス島で開催されたキッズゲルニカの展覧会に参加した。
その際に撮られたホットな画像を紹介し、参加作品であるインドのカルカッタの盲学校の取り組みを
ビデオの記録で観る事ができた。
地域に根付いたキッズゲルニカを展開していくことが望ましいという見解を示した。

2. Ganetキッズゲルニカ・プロジェクト
教室での実践報告(赤座雅子)

キッズゲルニカをすすめるにあたって、プロジェクトは各教室・保護者向けの案内チラシを作成した。チラシA3用紙下半分は子どもたちに「平和」ってどんなこと?絵もしくは字でかいてみよう、と呼びかけたワークシートになっている。
発表者は子ども達に平和や戦争にリアリティを持ってもらいたいと考えどのような導入を行ったか、具体的な言葉がけや工夫を画像付きのレポートをもとに発表した。

写真は6才男児のワークシート作品。
これらはまとめて冊子(絵本)になる予定である。

3. 実技講習
Yoshiお絵描き教室(吉村理恵子)

砂絵の実技をおこなう。
この日は母の日だったことからカーネーションを砂絵におこした。制作中、吉村さんが教室を運営するうえで疑問抱えている事柄についてベテランの先生達が応える場面があった。

この後,7月27日(金)梅田東学習ルームで開催予定の造形まつりの打ち合わせを有志スタッフで行った。

第三回ガネット講座報告
【2007年6月3日(日)1:00~4:00pm】

1.教材研究ツアー(美術教材フェアに参加)
場所:大阪マーチャンダイズ・マート
2.夏の造形まつりに向けての教材研究

第四回ガネット講座報告
【2007年7月26日(木)】

Ga-net造形まつり前日準備/研究会
場所:梅田東学習ルーム

2007年度 Ganetキッズゲルニカ・親子で造形まつり         
【2007年7月27日(金)10:00am~5:00pm】

1. Ganetキッズゲルニカワークショップ

ガネットキッズゲルニカは、地域の絵画教室の指導者(有志)がネットワークを組んで共同で企画したものです。当日会場に来られない、のべ250人くらいの 地域の子どもが描いた笑顔の小さな絵を太陽型にコラージュして、当日会場に来た60人の子どもがその周りの街を描きました。

コンセプトは「みんなの笑顔が 街を照らし、平和になる」というもので、タイトルを「our smile, our peace」としました。当日は、インドとボスニアの子どもたちの作品に囲まれて、雰囲気のいい中で、子どもたちが活動していました。


なお、今回のGanetキッズゲルニカワークショップは大阪府福祉基金地域福祉振興助成金の援助によって行なうことができましたのでお伝えしておきま す。また大阪女子短期大学の阿部寿文先生と立命館大学のイダヒロユキ先生から平和についてのレクチャーをいただき、単なる絵画制作ではなく、制作を通して 「平和に触れる」取組みにすることができました。
 企画、準備をして下さった方、当日スタッフで参加して下さった方のおかげで、3時間という少ない時間で作品をまとめることに成功したことを報告しておき ます。ありがとうございました。

2. Ganet親子で造形まつり

今年は全部で9種目のメニューを用意し、子どもたちは各コーナーを順番にまわり楽しんでいました。今年はじめて参加していただいた先生も多くいて、大変 だったと思いますが,終わった後にはホッとした顔が見られよかったです。ボランティアスタッフにも手伝っていただき,本当に助かりました。個人ではできな いことを,みんなで企画するということのすごさと大変さをお互いが体験できたのではないでしょうか。参加された先生は、また、それぞれの感想を事務局の方 まで送って下さい。子どもたちのためにより良い企画を作っていく参考にしたいと思います。今回の私たちの活動が、お互いの仕事の発展のための一助となるこ とを願います。

第五回ガネット講座報告
【2007年10月21日(日)1:00~4:00pm】

『カメラの歴史』
講師:立岡 朋匡(滋賀芸術学舎)















ピンホールカメラの構造の説明から身近な材料で実際にカメラを作りました。
小さな筒の穴を通して見る画像の天地が反対に写り、シンプルな驚きがありました。別室に暗室を設置し、フォトグラムを体験。子ども達はお化け屋敷のノリで楽しむそうです。印画紙、現像液など、本格的な材料を使用したこれまでにない実技内容でした。カメラがデジタル化している現在、「画像」という概念が変わりつつあることから子ども達に貴重な体験を残せるかも知れません。(赤座)

第六回ガネット講座報告
【2007年11月18日(日)1:00〜4:00pm】

実技講師 小川 和子 (アトリエ小川)
『ブラブラドール』


ヤクルトの空き容器をベースに色付けした、ふわふわ粘土で人形を作りました。
手足の紐がタラ~ンとぶらぶらしていることから命名したとのこと。
『プッシュステンド・ランプシェード』http://www.saikousha.co.jp/kougeilamp.htm子どもが作ったランプを家族で囲む姿が浮かんできそうです。
クリスマスシーズンにぴったり。きめ細かなアドバイスと、パワフルな指導で会場内は笑顔が絶えず、
120分の制作時間を充分に使い切った実技講習でした。
他に来年度の造形まつりについて話し合い感想と意見交換を行いました。(報告 赤座)

「キッズ・ゲルニカ&夢メッセージPresents

子どもピースコンサート」

【2008年1月20日(日)】

 昨年8月に制作されたキッズ・ゲルニカの作品を展示するイベントが1月20日(日)大阪ナンバHatchで開催された。(PDF参照)
参加した子どもたちによるランプシェードと手形の制作と絵本読み聴かせライブ/子どもハーモニー隊のコンサートという美術と音楽を組み合わせたものだ。今 回は大阪市教育委員会の後援を得、Ganetが他の団体とコラボレーションした初の試みであった。

  全体を企画した川原由香里氏(childroomまめっこ)は、小学校3年生の長女が、お小遣いを募金したいと申し出たことから始まった。飢饉に苦しむ外 国のひとたちがあり、ほんの少しの寄付で薬や食料が買え、多くの人々が救えることを小学校の授業で知ったのだという。子どもであるけれど、平和について 「気付く」ことで何かが始められ、変えられる。川原氏は自分たち大人(親)は、豊かに生命をつなぐためにも子ども達に平和をメッセージしていかなくてはな らないと感じ、このイベントのために助成金の申請、大阪市教育委員会の後援協賛団体の呼びかけ等に奔走した。
 スタッフは当日顔合わせした状態だった。けれども子ども達に平和を伝えたいという気持ちを共有し息の合う連携をして悪天候を乗り切った。

コン ひとりひとりの力は小さくとも、皆で力を出し合い、つながることで何かができる。Ganetが今後活動する、新たな可能性を感じることができた。


(報告/事務局・赤座雅子)

第七回ガネット講座報告
【2008年2月3日(日)1:00〜4:00pm】

講演:「美術を通して今、子どもたちに何ができるのか
~阪神淡路大震災を超えて~」
講師:中嶋 洋子

  私たちは、描画や造形を通して子どもたちに何を伝え、何を育てようとしているのか。絵画教室の指導者なら必ず幾度か立ち止まって考えた経験を持つだろう。 中嶋先生の今回のご講演では、そうした教室指導者の日頃の悩みや思いに一つの示唆を与えて下さたように思う。中嶋先生は阪神淡路大震災の大変つらい体験を 通して、「絵を描く僕たち、私たちにできることは何だろう?」と教室の子どもたちとともに考えるようになった。そしてその後に起こった新潟県中越地震の被 災地の子どもたちとのアートを通した心の交流が交わされた。地域の異なる子どもたち同士が、アートと手紙の交流の中で励ましあい、成長していく様子を語る 中嶋先生の目は使命感に満ちていた。その中で教えてくれたのは、「子どもの心にある素晴らしいものをアート活動でひき出す」ことができることや「アートを 通して子どもの心が変わる」ということである。絵を描くことは一見、個人活動のように思われるが、実は絵を描くことによって、人とつながることができ、人 の気持ちを思いやったり、社会に目を向けることもできるのだということを、中嶋先生は子どもたちに実践の中で伝えたのだ。

  また中嶋先生は、現代の人間関係が希薄な事から生じる痛ましい事件、「いじめ問題」「自殺問題」が続く今の時代だからこそ、芸術の力が必要だと強く主張す る。頻繁に「自殺のニュース」が、相次いだ時期には個々で制作するのをやめ、教室内で「アトリエ太陽の子・兄弟」と称し、縦割りのグループ制作を導入した という。個々で作品を完結させるのでなく、年齢の違う、学校も違う子ども同士、協力しあい、助け合いの心を、子ども達の自主性から引き出そうと言う、まさ に時代と体当たりの授業を導入している。『アトリエ太陽の子』の共同作品は、412名の心が結集した、力強い作品であった。また、絵画教室の指導者は何か できるのかという答えに対して「指導者の情熱、心を込めて伝えたら子どもは必ずキャッチする」という力強い言葉は会場の皆を励ました。また「こどもを叱る ことは愛情である」とし、様々な体験談の事例から、会場の参加者はとても共感でき、明日への励みになったにちがいない。講演は2時間でお願いしていたが、 質疑応答の際、各絵画教室で抱えている悩みなどに対し、実例や実作品を織り交ぜての回答に会場が白熱し、40分の延長講演をお願いした。

  自宅で6人の生徒からスタートし、なぜにこの少子化の時代に8教室・400名以上の生徒が集まるのかと言う疑問、この日の、情熱と使命感に燃えた中嶋先生 の姿から納得した。現代の子どもたちに、アートの魅力と可能性を情熱をもって伝えたい、そう思わされた2時間40分であった。

(以上報告:Ganet代表 栗山誠)

第八回ガネット講座報告
【2008年4月20日(日)1:00~5:00pm(1時間延長)】

第1部「実技研究」
「母の日のプレゼント」
 講師/三好 乃美子(さくらんぼ絵画教室・柏村)


牛乳パックを余すことなく使い切ってプレゼントボックス、メッセージカード、
アクセサリーを作りました。ブローチにはカラフルな花の種をあしらいました。

第2部「実技研究」
『2008年Ganetまつり』各コーナー具体案発表

第一回ガネット講座報告
【2008年6月15日(日)1:00~4:00pm】

第1部 講演「切り絵のワークショップとお話」
講師/切り絵師 真笑(安永豊彦)氏

2008年Ganet新年度記念講演に似顔絵切り絵師「真笑」こと安永豊彦氏をお迎えしました。
会員一人ひとりの似顔絵を切り、「絵をイメージする」ポイントからはさみを使う要領やこつ、
選び方など具体的に教授していただきました。
「芸は続けることが大事、途中で止めないことです。」
一つのことをやり通した重みのある言葉に深く頷く会員も少なくありませんでした。

7月22日のGanetまつりのステージでは、たくさんの親子が列を成すと予想されます。(赤座)

第2部「ガネットまつりミーティング」

「第5回ガネットまつりエコな造形2008」

7月22日(火曜日)梅田東学習ルーム体育館にて開催した「第5回ガネットまつりエコな造形2008」は、参加したこども約150名、学生を含むボランティアと会員スタッフ約50名の運営により、ケガも事故もなく、活気あふれる雰囲気で終了しました。こどもたちは余裕をもって活動し、スタッフも研修とネットワークをつなぐ目的としては適切な時間と人数であったように感じます。
会員の方にはガネット新聞で後日改めて報告いたします。
チラシ配布や地域の宣伝にご尽力いただき、本当にありがとうございました。

第三回ガネット講座報告
【2008年9月21日(日)1:00~4:00pm】

秋の特別講演
「国内外の美術教育の現状とこれからの地域造形絵画教室の役割」
講師:花篤 實 氏 (大阪教育大学名誉教授/大阪芸術大学教授)

第四回ガネット講座報告
【2008年11月16日(日)1:00~4:00pm】

「絵画教室のつながりと展開」
<講師>赤座 雅子(Kids'craft)
    川原 由佳里(チャイルドルーム まめっこ)

<内容>

8月に開催されたInsea国際美術学会のコングレス・ワークショップの実践報告をします。
作家やギャラリーと連携した教室の活動を紹介。
障害者が中心となって活動している絵画教室と、大学のテキスタイルデザイン科が連携し、作品を商品化し自立支援をしている実践を紹介します。(赤座)
川原氏は「キッズゲルニカ」「ピースコンサート」において大阪府教育福祉基金の助成金申請や教育委員会の後援を得るため尽力してくれました。こうした申請の実際、NPO(非営利団体)法人について話しをしてもらいます。
これから絵画教室をはじめたい、という方にも参考となる内容を入れる予定です。

実技『薩摩杉のクリスマスツリーを作ろう!』
提案と指導:栗山 誠

 子ども達がワクワクなクリスマス。幼児から小学生、モチロン大人も作って楽しい工作を参加者と一緒に実技します。(30分~45分)(作品は各自で持ち帰ります)

第五回ガネット講座報告
【2009年2月8日(日)1:00~4:00pm】

『乳幼児の空間認識

~実際の作品から見る子どもの絵のとらえ方』

講師:舟井 賀世子 氏(大阪信愛女子学院短期大学)

第六回ガネット講座報告
【2009年4月19日(日)1:00~4:00pm】

「ガネット実技リレー」

今年は、実技研究~ひいては運営面なども含めた研究会に重点を
置いていきたいと考えています。
そこで「実技リレー」と銘打ち、まず発表者がカリキュラムの提案をします。
それを次回の研究会で、次の方が自身の教室で行ったものを発表する、
皆で検討や討議をする、という形式です。
リレーのトップは3人で走ります。

「オリジナルかざぐるま飛行機を作ってあそぼう」
<講師>栗山 誠(帝塚山キッズアート)

自分のデザインで簡単なかざぐるまを作ります。それを紙飛行機に
合体させると……。
幼児から小学生高学年まで楽しめるオリジナル工作&デザインです。
気持ちいい春の風を感じながら遊べます。また当日は子どもたちが
どのようにこの教材に関わったか、親子で楽しむための方法などを
紹介します。

「幼児向けの絵画制作~切り絵/絵の具の種まき」
<講師> 北田 絵里子(絵画造形教室らぴす)

カッターを使えない幼児でもできる簡単で趣のある切り絵と、
描くことに抵抗のあるこどもも楽しめる絵の具の使い方をこども
たちの作品とともに紹介します。

「新しい環境の中で~思い切ってつくろう!」
<講師>赤座 雅子(キッズクラフト)

ビデオで紹介
進級進学、クラス替え、子ども達は新しい環境に期待しながらも
それぞれのストレスを抱えています。
絵画・造形教室だからこそできる子ども達との関わりを保護者に
メッセージする機会でもあります。
どんな所が教室ならではのカラーでしょう?参加者の皆さんと討議
していきたいと思います。

第1回ガネット講座報告
【2009年6月28日(日)1:00~4:00pm】

実技研究『夏休み宿題工作~ひょろひょろマリオネット』
講師/栗山 誠(帝塚山キッズアート)

『ひょろひょろマリオネット』 トイレットペーパーの芯材と割り箸を使って。夏休みに挑戦してみよう!
糸を使うので、見た目よりも制作が難しい、マリオネット。
制作の工程で、どの位の時間や内容を目安に導入するのか、紐を通すのに、幼児にはどのような支援をしていったらいいのか、穴の開け方等、具体的な指導やアドバイス、アイデアが交わされた。

準備も制作も楽ではないけれど、出来上がると動きが可愛く、面白く、やってみたい気になるカリキュラムである。

講演『絵画指導~絵は楽に描いていいのか?』
講師/角地 佳子(アート社かくち代表)

角地氏 実際の作品から難しいテーマを取り上げ、展開していただいた。
角地氏は画塾の経営のみならず、幼稚園保育園の先生や、短大の学生まで、幅広く指導されている。
子ども本来の育ちとして絵画を見る場合、指導者はどう関わっていくべきなのか。
子どもが「できた!」と持ってきた絵を、もう少し頑張らせる絵(達成感のある絵)にもっていくには、どうしたら良いのか。
実際の作品から、参加者に問いかけ、共に考える場となった。本来、絵を「楽(らく)」に描くのなら自宅で描いても構わないわけである。それをあえて絵画教室に通わせ、子どもに絵を描かせたいという保護者の期待や要望にに応える、ということについて、それぞれの教室の取り組み方や、考えを述べてもらった。

終了時間を1時間近くオーバーする討議となった。こうした情報交換の場こそ、ガネットが研究会を行う意義である。「正解」は各自の内に持ちつつ、今後の実技リレーとしてつなげていきたい。

第2回ガネット講座報告
【2009年9月6日(日)1:00~4:00pm】

『映画「絵を描く子ども達」(1956年羽仁進監督)鑑賞会・ 講義と討議』~映画を通して、描く事の意味を一緒に考えてみましょう~
講師・永守 基樹 氏 (和歌山大学美術教育学教授) 

<研究会概要>

以下の順に進行した。

  • 映画「絵を描く子ども達」監督の羽仁進と、その家族背景について。実父 羽仁五郎(歴史家)祖母 羽仁もと子(自由学園創設者)
  • 製作された1956年当時の教育的環境
  • 日本の美術教育の系譜~現代まで
  • 参加者の感想・質問

映画上映(38分)
時代の流れと、それに応じた美術教育が導入されてきた。
山本鼎が中心となって想起された「大正自由画運動」。戦後リベラリズムを介して生まれた創造主義~創造美育協会(「絵を描く子ども達」の背景)。社会と美術との接点、認識を重んじた「新しい絵の会」
造形主義~造形教育センターの活動。60年代、文部省(文科省)が遊びを教科に取り入れた「造形あそび」。そして現在「知的な美術~鑑賞教育」に重点をおいたDBAEやメディア・アートについて。
やなぎみわなどを例に挙げ、美術教育の今後の動向をコンパクトに講義された。


「絵を描く子ども達」について

時代に応じて、教育理論、指導法も変遷していく。
けれども映画の中で、クレパスをにぎり、一心に描いている子どもの表情や姿は現代の子ども達と大差ない。その点も踏まえながら、美術教育史を概観してみたと云ってよいだろう。

<参加者の感想~まとめ>

「小さい絵画教室ですけれど、子ども達にどのような方向で指導していったらいいのか、いつも悩んでいました。」

「美術教育の流れが大まかに理解できて、今の自分に欠けている部分、そして今後はこうした方がいいな、という部分が何なのか、分かりました。」

「専門の先生のお話に加え、実際に運営されてる先生方の声を聞くことができて、自分をまたみつめなおすきっかけになりました。 人前で話すのは苦手ですが、受け取るだけではない解放感を少し味わうことができました。 」

「久しぶりに皆さんに会え、懐かしい気持ちとともに、刺激も頂けて…。これからどういう形になっていくのか、今はまだわかりませんが、子ども(大人も)の表現には関わっていきたいな…とあらためて思いました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。」

当面のカリキュラムが必要なのは否めない。けれども、それぞれの教室の「核」となるものを思索し、見据えることから学校教育にはない、絵画教室ならではの美術教育を行えるようになるのではないだろうか。

第3回ガネット講座報告
【2009年11月29日(日)1:00~4:00pm】

○ギャラリーツアー
『クリンもだん美術教室展覧会 ギャラリーツアー』
 講師:大澤 辰男 氏(クリンもだん美術教室)

○講演会『ニッポンのアウトサイダーアート』
 講演者:服部 正 氏(兵庫県立美術館学芸員)

障害のある人の描く絵が話題になっている。
特別な集中力、健常者にはない視点、そしてエネルギー。

ギャラリーツアー後の服部正氏(兵庫県立近代美術館・学芸員)の
講演会では障害のあるなしではなく、線引きのないアートの価値を問うていた。

クリンもだん講師の大澤氏は作家であり、教育者であるところから目的をもって学ぶ姿勢「プロになれ。」と生徒達に呼びかけている。

それはまた、障害者を家族として支えている保護者への励ましにも繋がっている。

「作家としてやっていけるのは、ほんの一握りかもしれない。
けれども親がなくなり施設に入る事になっても、一生懸命絵を描く、つくることを続けていれば、自然に人が集まり、その人たちが支えてくれる。だから頑張って描きや、と僕は言うんです。」

最近でいうところのアウトサイダー・アートという名称は少し格好がいいかも知れない。

現場の教師達はアートというより福祉に近い、
もっと切なる想いで模索しつつ指導をしている。

来年1月12日にCASOで開催する展覧会に、また大きく期待したい。

報告 赤座



第4回ガネット講座報告
【2009年12月6日(日)1:00~4:00pm】

『クリスマス工作』
1.「サンタクロースのそり」 
講師:幸前節子(プチアート)






ゴムの力で走るそり。会場のあちこちでそりレースが始まりました。

2.「釘を打ってつくろう、クリスマスツリー」 
講師:岩男久美(アトリエHandHand)

おとなもこどもも楽しめ、素材によって雰囲気もがらりと変わるツリーです。

師走ということもあってか、少人数での和やかな研究会となりました。
幸前氏、岩男氏、それぞれの教室の状況報告を交えながら、教材選びのポイント、工夫を講義していただきました。
実際に体験してみないとわからない、素材による細かな違いが発見でき、有意義な時間を過ごしました。

(報告 北田)



第5回ガネット講座報告
【2010年2月28日(日)1:00~4:00pm】

『親子造形』1
講師:宮本 みのり(造形絵画教室プチクレヨン)

京都の絵画造形教室プチクレヨン宮本みのり氏が地域の小学校で行った、段ボールの親子造形を紹介。
親子の関わりが年々希薄になる気配がある中、親と子、そして学校も熱意をもって取り組んだ様子を
映像とともに伝えた。

学校生活では少し問題行動のある児童がもくもくと制作した過程など、学校で行ったひとつの行事で
ありながら、児童の違う面をみられる興味深い事例も紹介された。

『親子造形』2
講師:赤座雅子(キッズクラフト)

次いでキッズクラフト赤座雅子が1月に大阪児童美術研究会で発表した親子造形を紹介。

この日は年度末とあって、通例よりも少ない参加であったが、滋賀/京都/三重からの出席があり
それぞれの教室の運営についての討議があった。

教室ごとの様々なシステム、またその問題点について等話題が尽きる事がなく、予定時間を30分
オーバーした。

インターネットMixiの「絵画教室」の管理者である鈴木妙子氏の出席があり、顔を合わせて研究会を
行うGanetとの連携も、今後のぞみたいところである。

                                (報告>事務局・赤座雅子)

第6回ガネット講座報告
【2010年4月18日(日)1:00~4:00pm】

『フレネ学校(フランス)視察報告と実技研究』
 講師:松本 アリサ

(ベルパーク造形絵画教室主宰(滋賀県)/湊川短期大学非常勤講師)

ナタン(フランス)の絵の具で実技研究

松本アリサ氏のフレネ自由学校(フランス)とメルヤルヴィ校(フィンランド)視察報告。
メルヤルヴィ校は統合学校~小さな村で人口も少ないことから幼稚園/小学校/ 中学が一緒になっている。
授業数もほぼ半日でこなすような、ゆっくりとした流れだという。
たくさんの画像から、学校の建築、設計の美しさにも関心が寄せられた。
フレネ校の報告も合わせて、伸び伸びとした環境を参加者の多くがは羨ましく感じたようだ。
日本とは異なる、生活に根付いた創造の「自由」について具体的な質問も挙げられた。

実技教材はフレネ学校で実際に使われているナタン社の絵の具(インクと水彩) と、乾燥するとゴム状になる「マスキングインク」を松本氏に持参していただき、バチックをしたところ、発色の違いや感触の良さに感心しながら実技を楽しんだ。

                                (報告 赤座雅子)

第1回ガネット講座報告
【2010年6月27日(日)1:00~4:00pm】

『夏休み宿題工作』
 講師:北田絵里子(絵画造形教室らぴす)

2010年度最初の研究会は夏休みの自由工作の参考作品を紹介。
段ボール紙にローラーで色づけをして、紙粘土等をアレンジする、J・コーネルの『コーネルの箱』から発想したという、らぴすさんらしいカリキュラムであった。

『絵画造形教室 新学期カリキュラム』
講師:赤座雅子(キッズクラフト)

5~6月の実際のカリキュラムを紹介。
失明したグラフィックデザイナー北川一成氏の体験談からカリキュラムに起こし、活動した子ども達の様子を報告。実際に教室の保護者向けに渡している月刊通信を配布しながら話した。

東京からゲスト山口壮一先生(造形授業研究会代表)http://www.geocities.jp/zoujuken/が参加されました。Ga-netの活動に興味を持たれ、学校教育で賄いきれない絵画教室の役割を感じている、というコメントが印象的でした。

『描画の研究』
講師:島田時子(あすなろ絵画研究所)

http://www12.plala.or.jp/ganet/03081asunaro/03081.html
Ga-net研究会の今年の目標「描画の研究」
さっそく、あすなろ絵画研究所のスタッフのみなさんが作品を持ち込まれ実践的な討議が交わされた。
この後、指導法についての質問と実際の作品を持ち込まれた先生達のアドバイスや励ましがあった。

●サクラクレパスより夏休み教材の紹介とセール

Ga-net会員はエデュース(幼稚園学校が対象の画材の通販)に登録で
きます。
http://educe-web.craypas.co.jp/

盛りだくさん過ぎるという感想も上がりました。教室運営や指導はひとりで抱え込みがちになります。
素朴な疑問でも、少しの勇気を持って質問すると、違う角度から子どもの顔が見えたりします。
絵画教室の活動を「小さな世界平和」と言った講師がありましたが、私も同感します。
少しずつのこうした活動を、皆さんで広げていける事を願っています。

                         (報告 赤座雅子)

第2回ガネット講座報告
【2010年9月12日(日)1:00~4:00pm】

講演:「被災地区絵画教室 の取り組み
     ~NHK放映・命の授業プロジェクト」

  • 兵庫県立美術館で の展覧会開催について

講師:中嶋洋子氏

第3回ガネット講座報告
【2010年10月31日(日)1:00~4:00pm】

「手作り人形で子 どもとコミュニケーション」
           ~実技とパフォーマンス
講師:西村則子氏(人形劇団クラルテ)

人形劇団クラルテの松本則子氏に講演していただいた。 子どもを対象とし、40年近く運営されてきた経験を通して、 子ども達に何を伝えていかなければならないのか、厳しくも暖かい 想いを感じられた。 ハッピーエンドで終わる、 いまどきの絵本。子どもに楽しさを伝え るだけでいいのだろうか。 モノがない環境で育った松本氏は、子どもに媚 びた商品が増えて来 ている事に疑問をもつ。
人形劇の脚本となる絵本やむかし話しについては、 大人は子どもが社 会で生きていくため、ルールを教えていかなけれ ばならない。 昔話や絵本はそのツールである。 残酷なラストが仕 掛けられているオリジナルの意義を 現代の子ども達に伝える難しさを語られた。
取り上げる絵本のちがい 同じ『三びきのこぶた』でも伝えようとするものが異なる。

紙コップの人形を使っての実演では、手の持って行き方、表現を具体的に披露していただいた。 人形が活き活きと動く様子を目の当たりにした。

描画の研究


どのような手順で作品を制作するか、という技術面の話しからスタート。 画材の選び方や使い方にも質問や意見がとびかい、教室を始めたばかりの方が作品を持ち込み、先輩たちの意見やアドバイスを聴いた。

第4回ガネット講座報告
【2010年12月5日(日)1:00~4:00pm】

第一部 「お菓子の家づくり」
第二部 「描画の研究」
講師:河瀬かず子
(子どものアトリエ・ヨークカルチャーセンター奈良)

第5回ガネット講座報告
【2011年3月6日(日)1:00~4:00pm】

研 究:「絵画(描 画)作品の研究と
      ファイバークラフトワークショップ」

年度末のため参加者は少人数でしたが、ファイバークラフト、ウェイビーウェイビーなどの造形素材や各教室で制作した作品を持ち寄っての意見交換等、 内容の濃いあっという間の3時間でした。


第6回ガネット講座報告
【2011年4月24日(日)1:00~4:00pm】

第1部 『こども二科展 について/

幼児の脳力開発・井上裕義絵画メソッド』

講師・井上 裕義(アートファクトリー蒲生絵画教室)

こども二科展の審査員である井上氏に審査基準〜どのような作品が 求められているかを講義。 事務局・産經新聞の川口祥子氏も同席された。参加者が持参した作品について一枚一枚、取り上げて批評。 構図やバランス、絵の具の量などかなり具体的な内容を語られた。







ご自身の教室と幼稚園で実施されている幼稚園年中(4歳児)から 行っている描画の中に順列の図形を組み込むメソッドを紹介。 二科の出品に重点を置いている教室の先生や大人対象に指導している 先生からはとても参考になったという感想があった。


第2部『Ganet被災地 アートプロジェクト』
講師:阿部寿文氏(大阪女子短期大学)

後半、第2部はガネットで東日本大震災で被災した子どもたちに アートを通じて何か支援ができないか、話し合いをした。 大阪女子短大の阿部寿文教授はキッズゲルニカの発案者である。 3月19日に現地入りをしている。 今年1月にキッズゲルニカを制作した関係で宮城教育大を訪ね、 どういう支援ができるのかを見て来てその報告をしていただいた。

事務 局からGanet会員が実際に現在行っている支援の状況を紹介。 どういったあり方が可能か等を全員で討議した。 物資にしても、何を何処へ何を届けたらいいのか、現地で何ができるのか、 ガネットのホームページで状況を伝えるコーナーを設置し情報を発信する。 それぞれの教室で出来る事は異なるのでこれなら、自分の教室でも実施が 可能だと思えるものがあれば参加する。 Ganet全体で一つのことをするのではなく、長期的に個々で支援をしていく、 という方向をみつけた。

(報告・事務局赤座)

第1回ガネット講座報告
【2011年6月26日(日)1:00~4:00pm】

実技研究 『絵本を通した描画の導入』
講師:赤座雅子(キッズクラフト)

「三原色の雲」

気楽に空をただよう青い雲。 ふとした事から人間たち同士の争いを見つけます。 「色」の異なる人種を、自分の「青色」を出し切り、 みんな青くして平和な世界をつくります。 教室で「あれっ?青い雲は何処に行っちゃったの?」と 子どもたちに聴くと「みんなの心の中。」 とこたえた子(小学3年生)がいました。

実技『夏休みの工作~造形』

父の日にむけて 講師:赤座雅子(キッズクラフト)


今年はセロファン紙を使った用紙で似顔絵作品を贈りました。タオルやハンカチを入れる箱の上蓋です。 光を当てると下絵と像が重なります。

マジカルミラー貯金箱栗山誠(帝塚山キッズアート)


さいころ状の箱にミラーシートを挟みます。シンメトリーなオブジェを作って貼ります。 なんで浮いているのかなぁ?と言ってもらえたら大成功!

前半講師交代の前に 6月20日に滋賀県の成安造形芸術大学で開催された 滋賀芸術学舎 http://www.shigagei.com/ の作品展「Rolling Egg」の報告 質の高い、
丁寧な運営と制作を紹介しました。

4時過ぎまで研究会は続き、サクラクレパスさんから新製品のボンドまでお土産が出て 「今回は盛りだくさん。」と話していたら会場の後ろで人だかり。 アトリエHandHandの岩男 さんが、素敵な作品を持って来てくれていました。 今春、京都でKlee展がありそれをヒントに制作したとの事です。

皆が持ち寄ってくれる事でGanetの研究会は表情豊かに膨らみます。
興味関心のある方の参加を御待ちしています。

(報告・事務局赤座)

第2回ガネット講座報告
【2011年9月18日(日)1:00~4:00pm】

実技研究 「絵本の導入からの描画研究」
講師:赤座雅子(キッズクラフト)

色画用紙を使った絵画制作をしました。

実技「クリスマス工作」
講師:河瀬かず子
(ヨークカルチャーセンター奈良こどものアトリエ)

次回の研究会が12月4日〜既にクリスマス制作シーズンになるので、今年は前倒しで行いました。
クリスマス工作実技の前に、最近展示された作品展の絵画作品を紹介していただきました。

予告にも出したワイヤーとペーパーの2種類のクリスマスツリー工作を行った。 エアパッキンで作ったスタンプに金粉を塗りツリーを飾るなど、取り立てて特別なものではないのにセンスの良さでこれだけのものがつくれるのだ、と参加者を 感心させた。 デザイナー出身ということもあるのでしょうがひとつひとつ細かく丁寧に仕事をされている。 10名前後の生徒を対象に、きめ細かな指導と準備、カリキュラムを組んでいる様子が参加者に伝わった。 生徒一人づつ、制作においての成長記録もとるなど作業の合間の話にも傾聴させらる内容が多く、会終了後も質問が途切れなかった。


(報告・事務局赤座)

第3回ガネット講座報告
【2011年12月4日(日)1:00~4:00pm】


第4回ガネット講座報告
【2012年4月22日(日)1:00~4:00pm】